「業務を効率化して生産性アップを目指したい」「日々の業務を効率化して残業を減らしたい」と考えている経営者や社員も多いでしょう。
本記事では実際に業務効率化に成功した企業の事例や、日々の業務を効率化するアイデアを紹介します。
すぐに使える方法も多数あるので、参考にして生産性アップを目指していきましょう!
そもそも業務効率化とは?
業務効率化とは業務の「ムダ・ムリ・ムラ」を省き、少ない労力やコストで業務の成果を維持、または向上させることです。
業務効率化には、おもに次の3つのメリットがあります。
・残業時間や業務時間を減らし、人件費をカットできる
・従業員の労働環境が改善できる
・個人や会社の生産性がアップする
業務が効率化できれば会社全体だけでなく、従業員の負担も減らせます。
結果的に少ない労力で生産性向上がのぞめるため、会社の売上アップにもつながるのです。
業務効率化の成功事例
業務効率化に成功している企業は多数あります。また、コツを押さえるだけで個人の業務も効率化できます。
個人と企業の業務を効率化するアイデアや事例をチェックし、生産性アップを目指していきましょう。
個人の業務効率化成功事例4選
個人の業務は自分の心がけ次第で大幅に効率化することも可能です。
業務効率化が実現すればムダな業務や残業時間を減らせるので、ぜひ取り組んでみてください。
業務フローを見直してムダを省く
業務を効率化するためには、現状を正しく把握し、課題を明らかにする必要があります。
個人の業務においてまず見直す点は「業務フロー」です。
業務フローにおいて二度手間になっている業務はないか、また、他の従業員の手助けやツールの活用によって効率化できる業務はないか、検討してみましょう。
次のような場合、業務のやり方を変えるだけで効率化が実現します。
・1日に何度も同じ業務が発生する
・データの入力業務がたくさんある
たとえば、1日に何度もメールチェックを行っている場合、時間を決めて行えばムダな業務を減らせます。
また、データや文章の入力は関数やショートカットキーの活用で、業務時間を大幅に減らせます。
計画を立ててタスクをこなす
スケジュールやタスクの管理がきちんとできていると、「今やるべき業務」が分かるので、業務が効率化します。
まず、業務を請け負ったら期日を明確にし、やるべきタスクを一覧に書き出しましょう。
タスクが明確になったら、優先度の高い順に並べ替えます。次に、期日に間に合うようにタスクをスケジュール上に配置しましょう。
タスクが明確になっていれば、イレギュラーな案件が発生した際も、スケジュールを柔軟に組み直すことができます。
ただし、タスクはスケジュールに無理がないよう、余裕を持って配置しましょう。
自分だけでなく、チームメンバーとスケジュールやタスクを共有できると、部署全体の業務がスムーズに進みます。
また、お互いの状態を把握しておくことで、お互いにサポートしやすい体制を作れます。
整理整頓を行う
業務を効率化するためには、ワークスペースを整えることも重要です。
デスクや周囲にムダなものがなく整理整頓されていると、集中力が高まり、パフォーマンスが向上します。
とくに、扱う書類が多い場合、「ファイリングして分類する」「未処理と処理済みと書類が分かるようにする」など、一目で書類の状態が分かるようにしておけば、考える時間やムダな作業が発生しません。
また、ワークスペースだけでなく、PCのデスクトップも整理する習慣をつけておきましょう。
デスクトップにファイルが散乱していると、必要なデータを探すのに時間がかかるだけでなく、最悪の場合、必要なデータを削除してしまう可能性があります。
フォルダに分類し、共有が必要なデータは共有フォルダに移動するなど、データの場所を決めるクセをつけておきましょう。
ツールやアプリを導入する
ツールやアプリを導入すれば、業務時間が短縮できます。RPAなどの有料ツールは会社の方針を仰ぐ必要がありますが、スケジュール管理ツールなどは個人でも利用可能です。
スケジュールやタスクを管理したり、日程調整を自動化したりすれば、確認ミスやスケジュールのダブルブッキングを防ぐことができます。
無料ツールなら、累計利用者数1200万人以上を誇る調整支援ツール「調整さん」が提供する、日程調整を自動化するツール「TimeRex」がおすすめです。
商談やWeb会議の日程調整を自動化できるほか、カレンダーと連携して予定を自動登録できます。
毎日の業務を効率化したいと考えているなら、ぜひ無料で導入してみてください。
企業の業務効率化成功事例5選
成功している企業の事例には、業務効率化のヒントが詰まっています。
アイデアを集め、自社に最適な業務効率化の手法を見つけましょう。
ナレッジ共有で営業業務を効率化「株式会社白崎コーポレーション」
リサイクル事業や緑化事業も行っている株式会社白崎コーポレーションは、除草シートで知られている企業です。
予測が難しい自然環境に関する事業を成功させるには、知識や経験の共有が大きな課題でした。
そこで、白崎コーポレーションはナレッジ共有に着目し、SFA(営業支援ツール)を導入しました。
何年にも渡り、蓄積された膨大な営業データは、営業担当のスキルアップに大きく貢献しています。
また、共有された営業データをもとに、フィードバックやフォローも行いやすくなりました。
RPA・エクセルVBAで労働時間を大幅に削減「三井住友海上火災保険株式会社」
保険会社として広く知られている三井住友海上火災保険株式会社は、長時間に及ぶカスタマーサポートやデータ入力業務が大きな課題でした。
そこで業務の自動化を実現すべく、RPAやエクセルVBAを導入しました。
RPAやエクセルVBAのメリットは、人が働いていない時間でも業務を自動化できる点です。
自動化に取り組んでからというもの、三井住友海上火災保険株式会社は1,200時間/月(14.4万時間/年)の労働時間削減を実現しました。
働き方改革として在宅ワークも推進しており、さらなる業務効率化を目指しています。
テレワークの導入で業務を効率化「東日本電信電話株式会社(NTT東日本)」
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)では、労働時間削減を目指し、大幅な働き方改革に挑みました。おもな施策は次の3つです。
・在宅勤務の推進
・Web会議の導入
・時間外労働を朝方に変更
大きく労働環境を変更した結果、時間外労働は13%減少し、月間時間外労働が45時間以上の社員が34%減少しました。
労働時間を減らすことで、従業員が「どのように時間を有効活用するか」自発的に考えるようになりました。
データベースの活用で情報共有をスムーズに「株式会社マイナビ」
人材広告企業大手として知られる株式会社マイナビでは、部署ごとの業務に合ったシステムを利用していましたが、部門ごとの連携が取りにくいことが課題でした。
しかし、データベースソフトの導入によって部門間の壁がなくなり、さまざまなシステムが同じデータベース上でやり取りできるようになりました。
結果、顧客管理がスムーズになり、業務効率が大きくアップしたのです。
ワークスペースを整備して生産性アップ「株式会社ブリヂストン」
タイヤの製造で有名な株式会社ブリヂストンは、労働環境を整備することで業務効率化を実現しました。
おもな施策は次のとおりです。
・会議スペースの用途別ルールの徹底
・フリーアドレス導入
・RPAやIOTによる自動化
株式会社ブリヂストンが業務効率化に成功したポイントは、従業員の意見を取り入れた施策を行っている点です。
従業員が働きやすい環境づくりを進めることで、生産性アップやコミュニケーションの活性化が実現しました。
また、年休取得日数や介護休暇取得日数が増加するなど、ワークライフバランスが取りやすい環境づくりにもつながっています。
事例から学ぶ業務効率化のポイント
業務効率化は、成功事例を真似するだけで成果が出るとは限りません。
ポイントを押さえて、最適な方法で業務効率化を目指しましょう。
現状を分析して改善策を検討する
個人や企業で業務効率化を検討する際には、まず現状の把握・分析はもっとも重要です。
業務にかかる人材数や工数、成果をデータ化し、課題を明確にしましょう。
課題が明確になったら優先順位を決めて取り組みます。
課題が複数ある場合は一気に取り組むのではなく、一つずつ順番に取り組むのがおすすめです。
少しずつ取り組むことでリスクが減り、成果や問題点が見えやすくなります。
課題における施策を決定する際は、費用対効果を検討してください。
また、施策を行う期間や予算、目標を設定し、評価がしやすいようにしておきましょう。
ツールの利用を検討する
業務の「ムダ・ムリ・ムラ」を減らすなら、ツールを導入するのが近道になるケースもあります。
とくに、何度も発生する業務やマニュアル化できる業務は、自動化を検討しましょう。
また、ナレッジ共有ツールを導入すれば、社内の情報共有をスムーズに行うことができるだけでなく、外出先からもデータを確認できます。
無料体験可能なツールもあるので、セキュリティや費用を確認して、自社に最適なツールを導入しましょう。
施策を行ったら評価を忘れない
業務効率化の施策を行ったら、必ず評価を行うのを忘れないようにしましょう。
たとえば費用をかけてツールを導入しても、費用以上の効果が出なければツールの使用を持続する必要がありません。
また、施策を行ったことにより、問題が浮き彫りになるケースもあります。
施策の評価は定期的に何度も行い、問題点を一つずつ改善していきましょう。
業務効率化はすぐに取り組める!
「業務効率化には費用や時間がかかる」と思っている人も多いかもしれませんが、個人でも企業でもすぐにできる業務効率化の手法はたくさんあります。
業務の「ムダ・ムリ・ムラ」を把握するだけでも、業務効率は格段に向上するので、いつもの業務や慣習を見直してみてください。
業務にかかる時間や手間を削減し、生産性アップを目指していきましょう。