生産性とはリソースの投入量に対してどのくらいの成果を挙げられたのかを示す指標のことです。
生産性を向上させるためには、時間を効率よく使い、その中でより多くのアウトプットを生み出すことがポイントとなります。
この記事では生産性の概要や生産性をあげるために個人でできる取り組みなどについて解説します。
生産性とは
生産性とは、労働力や原材料など投入量に対して、製品やサービスなどがどのくらいの生産量を得られたのかを示す指標のことです。
簡単にいうと、どのくらいの力でどのくらいの成果をあげたのかを示す指標ということになります。
少ない労働力や原材料などでより多くの製品やサービスを作り出すことができれば、リソースを効率よく活用できていることとなるため、生産性が高い状態といえます。
一方で、多くの人員を割いているにも関わらず、なかなか生産量を増やすことができない場合は、生産性が低い状態であり、何かしらの改善が必要となるでしょう。
なお、生産性は以下の計算式で求めることもできます。
生産性=生産量(アウトプット)÷投入量(インプット)
生産性向上の要素
生産性を向上させるには、さまざまな要素を改善することが大切です。
ここでは、生産性向上につながる具体的な要素を解説します。なにからすればいいのかわからないといった企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
時間の効率化
生産性を高めるためには、時間を効率よく活用することが大切です。
実際に生産性が低い企業の中には、仕事の中にさまざまな無駄が潜んでおり、効率よく作業ができていないケースが少なくありません。
労働時間には限りがあるため、仕事の無駄が多いとその分生産性は低下してしまいます。
また、従業員の中には、無駄なことだと理解していながらその作業に取り組んでいるケースもあります。
そのような場合、従業員のモチベーションが低下し、業務効率が低下することでさらに生産性が悪くなる可能性もあるでしょう。
このような事態を避けるためには、まず現状の業務を洗い出し、無駄や問題点がないか確認する必要があります。
場合によっては業務内容の見直しを行うなど、企業側にも現場で働く従業員にも負担がかかることとなりますが、生産性を上げるには非常に重要なポイントとなります。
アウトプットの増加
生産性を高めるには、大きく分けて以下の2つの方法があります。
- 一定の労働時間でより多くの生産物を作り出す
- 少ない労働時間で同じ量の生産物を作り出す
企業の場合、1日の労働時間は定められているため、いかに同じ労働時間の中で生産量を増やしていくか、つまりアウトプットをどのようにして増やしていくか考えることが大切です。
しかし、アウトプット増やすためには、インプットも必要不可欠です。
例えば、普段からさまざまなことにアンテナを貼り、知識の引き出しを増やすことができれば、効率よくアウトプットできるようになるでしょう。
アウトプットを増やすためには、インプットの増加も重要な役割を果たすこととなります。
生産性向上のために個人でできること
生産性向上に向けた取り組みは、企業レベルだけでなく、個人レベルでもさまざまなことができます。ここでは、具体的な取り組みについて解説します。
個人の取り組みは、企業にとっては小さなものですが、社員一人ひとりが取り組むことで大きな成果につながります。
タスクの優先順位を明確にする
仕事をする際は、タスクに優先順位をつけ、いま自分がなにをやるべきなのか、逆にやらなくていいことはなんなのか明確にしておくことが大切です。
例えば、急ぎの仕事があるにもかかわらず、納期がかなり先の仕事を先にやっていては、生産性はなかなか向上しません。
いまやるべきこととそう出ないことがはっきりとすることで、効率よく作業スケジュールを立てることができます。
スキマ時間の有効活用
生産性を高めるうえでは、以下のスキマ時間を効率よく使えるかどうかが非常に重要です。
仕事をしている際に、集中力が低下するタイミングや、頭が働かないタイミングが訪れることがあります。
このような時は、難しい作業をするのではなく、頭を使わずにできる単純作業をするべきです。
逆にいうと、単純な作業は、こういった頭を使った作業ができなくなるタイミングに備えて残しておくべきだといえます。
集中力が切れた時に無理に作業を続けても、成果を上げることはできず、無為に時間が過ぎてしまうため、効率よく時間を活用しましょう。
やるべきことは午前中に
時間の経過とともに疲労がたまり、集中力が低下してくるため、その日やるべきこと、大切なこと、頭を使う業務などはできるだけ午前中に済ませるようにしましょう。
午前中であれば、頭も体もフレッシュな状態であるため、難しい作業も効率よく行うことができます。
情報共有の迅速化
情報共有をいかにスムーズに行えるかどうかは、生産性を高めるうえでは重要な要素だといえます。
企業の中には、情報共有に不備がある、遅れがあるために作業効率が低下し生産性が低下しているケースも少なくありません。
最新の情報をリアルタイムで確認できるようにしておく、誰がなにをしているのか把握できる状態にしておくなど、情報共有がスムーズにできるように仕組みを作ることが大切です。
また、情報のハブとなるナレッジベースを作成し、「ここをチェックすれば必要な情報は全て把握できる」といった状態を作ることができれば、生産性を高めることができるでしょう。
ゴールは細かく設定
作業をする際は、手が届くか届かないか微妙なラインのゴールを作業の進捗状況に応じて細かく設定しましょう。
届きそうなゴール設定であれば、達成しようと従業員のモチベーションが高まります。
また、あとどのくらいで目標に到達するか具体的なステップも把握しやすくなるため、PDCAも回しやすくなるでしょう。
一方で、いきなり大きなゴールを設定してしまうと、ゴールまでの道のりが遠過ぎて、従業員のやる気を削いでしまう恐れがあります。
また、ゴールから逆算してやるべきことを検討するといったことも難しくなるため、細かいゴールを設定するようにしてください。
メールチェックの時間を決めておく
仕事をしているとたくさんのメールが届きますが、メールチェックは時間を決めてまとめて行うようにしましょう。
メールが届くたびにチェックして返信していると、作業が滞るだけでなく、集中力も途切れてしまいます。
ITツール導入で効率化を
メール返信やデータ入力など、成果に直結しないノンコア業務をいかに減らすことができるかが、生産性工場のためには重要です。
近年では、このようなノンコア業務を行ってくれるITツールが登場しており、それらを導入することで生産性向上につなげることができます。
例えば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、繰り返し行う提携作業など、パソコンで行う事務作業を自動化してくれます。
また、ChatworkやSlackといったチャットツールは、LINEのように気軽にコミュニケーションができるため、情報共有のスピードを速めてくれるでしょう。
生産性を向上するには個人の取り組みがポイント
今回は、生産性について、その概要や生産性を向上させる要素、生産性向上に向けて個人でできることなどについて解説しました。
生産性とはリソースの投入量に対してどのくらいの成果を挙げられたのかを示す指標のことです。
時間を効率よく活用することと、アウトプットを増やすことが生産性向上を目指すうえでは重要で、そのために個人レベルでさまざまな取り組みを行う必要があります。
「長年これでやってきたから」という理由で生産性が低いままの企業も少なくないと考えられます。
ぜひ今回の内容を参考に、生産性向上に向けた取り組みを行ってみてください。