インターネットの普及や政府が推進する「働き方改革」の一環で、ビジネスシーンでもオンライン上のコミュニケーションが浸透しています。
web会議やウェビナーを行う企業も増加傾向にありますが、そのツールとして人気の一つがwebexです。
当記事では、webexのメリットや使用上の注意点などを解説します。
webexとは
webexはパソコンやスマートフォンなど、インターネットに接続できる端末で、web会議やセミナーなどを開催することができるオンラインコミュニケーションツールです。
webexではオンラインコミュニケーションを総称して「ミーティング」と呼び、主催する人を「主催者」、参加する人を「参加者」または「ゲスト」と呼びます。
webexは人気オンラインコミュニケーションツールの一つであるzoomと同様の仕組みとなっているため、zoomの操作画面に似ています。
webexはアメリカのCisco社が運営しており、zoom創設者がwebexの開発メンバーでもあるためです。
webexで行う会議のメリット
移動時間やコストの削減ができる
webexを利用することで、時間や場所にとらわれず、遠隔地や海外とも気軽にオンラインミーティングができるようになります。
そのため、従来のように会議のために発生していた交通費、出張費、宿泊費などが削減され、移動にかかっていた時間を他の仕事に使えるようになります。
情報共有を簡単に行える
webexでミーティングを行うことによって、参加者同士が情報共有を簡単に行なえます。
また、会議に参加できなかった人でも、映像、音声、資料、注釈などを一式で録画できるので、後日閲覧でき、参加者と同様に情報共有することができます。
働き方改革や事業継続対策になる
自宅や外出先からもweb会議に参加できるので、在宅でのテレワークや社外への派遣スタッフの支援、そして災害時の事業継続対策にもなります。
webexが他のツールと異なる点
多数の言語に対応している
webexの強みは「多言語対応」であるところです。
日本語や英語ばかりでなく、フランス語、イタリア語、中国語、韓国語など多数の言語に対応しているので、グローバルに利用することが可能です。
多言語での対応が必要な企業の担当者にとっては大変利用しやすいツールといえます。
チーム内の共有スペースを作成することができる
ビデオ会議、メッセージの送信、ファイル共有を共有スペース内で実施することができます。
そのため、特定のメンバーで作業を長期的に進める場合は便利です。
大人数の会議に適している
webexは、有料プランの場合、1000人を超える会議も実施することが可能です。
他のツールの場合、大企業向けのプランでも500人前後の会議が最大数となっていますが、webexのEnterpriseプランであれば、最大参加人数をカスタマイズすることができます。
セキュリティ体制が整っている
webexはセキュリティ体制が整っていることも強みです。
例えば、自社のドメインやメールアドレスを持つ人だけを会議参加者としたり、SSO(統一認証)やPKI(公開鍵暗号方式)で承認を得られた人だけが入室できるなど、主催者がセキュリティ機能を細かく設定することができます。
また、ミーティング中の映像や音声、データはすべて暗号化されていて、さらにデータセンター内でも暗号化されているので、通信の川上から川下まですべて暗号化することも可能になります。
webexを運営するCisco社にはセキュリティと信頼に関する独立した組織があり、何らかの理由によってセキュリティの弱体性が発覚した場合は、きちんと情報開示がなされるため、信用性があります。
webexで会議を行う上での流れ
webexログイン前
アカウントがある場合は、「サインイン」をクリックして、ユーザー名、パスワードを入力してログインします。
アカウントがない場合は、「ミーティング番号」を入力すると、該当のミーティングに参加することができます。
webexホーム画面
ログイン後に表示されるwebexのホーム画面には以下の項目があります。
ミーティング
・ミーティングスケジュールの確認、作成
・過去のミーティングなど
を確認できるページになっています。
録画
過去に自分が主催者として開催したミーティングの録画記録を見ることができるページです。
基本設定
webexの基本的な設定を行うページです。
分析
・開催したミーティング数
・参加者数など
過去の記録を確認し、分析することができるページです。
ミーティング情報の入力
「ミーティング番号」を入力すると、希望のミーティングに参加することができます。
ミーティングを開始する
自分が主催者としてミーティングを開始することができます。
スケジュールする
自分が主催者としてミーティングをスケジューリング(予約開始)できます。
開催予定のミーティング
自分が主催者としてスケジューリングしたミーティングを確認することができます。
webexミーティングを開始する
「ミーティングを開始する」の横にある“v”にカーソルを合わせると、
・常に最良のオプションを選択する
・常にデスクトップアプリで開始する
・常にウェブアプリで開始する
と表示されるので、選択して開始します。
webexで行う会議の注意点
ミーティングに誰も参加していないとき
招待状に記載しているURLが正しいことを確認しましょう。
また、正確な時間帯でミーティングがスケジューリングされていることも確認しましょう。
技術的な問題がある場合は出席者に連絡を取り、問題解決のためのアドバイスを行います。
参加者がログインできないとき
参加者が正しいパスワードを使用しているか確認しましょう。
参加者にブラウザで新しいウィンドウを開いてもらい、招待状で送ったURLをコピーし、ブラウザのアドレスバーに貼り付けてもらいましょう。
参加者の音声が途切れるとき
チャットまたはインスタントメッセージを参加者へ送り、「音声」ボタンをクリックして音声会議に再度参加してもらい、電話やVoIPオプションを選択してもらうように参加者に伝えましょう。
待機時に音楽が流れてしまうとき
参加者パネルにある音声インジケータを使い、誰の回線かを確認したり、ミュート(消音)したりします。
また、参加者にチャットメッセージを送り、待機を解除する旨を伝えましょう。
参加者が他の参加者の音声を聞くことができないとき
まず、音声接続がミュートになっていないことを確認しましょう。
そして参加者に電話またはVoIP接続を確認してもらい、さらにマイクまたはヘッドセットが接続されて電源がオンになっていることも確認してもらいましょう。
遅刻者がいた場合
遅刻者へも挨拶を交わしますが、他の参加者のミーティング進行を妨げないためにそのまま続けます。
遅刻者にチャット履歴や後でイベント録画にアクセスして見聞きし逃した箇所を確認できることを伝える定型文をチャットに貼り付けて通知します。
他のことをしている参加者がいた場合
参加者の注意を引くために、質問やアンケートを投げかけるなど事前に準備しておきましょう。
また、フィードバックをお願いしたり、注釈を加えたり、他のことをしている参加者に対し、あえて意見を求めるようにします。
迷惑な参加者がいた場合
おしゃべりはオフラインで行うよう、音声とプライベートチャットで注意しましょう。
また、音声ミュートやチャットと注釈の権限の無効化など、参加者の権限を調整することもミーティング参加者全体の集中力を途切れさせないための工夫です。
それでもおしゃべりが続く場合は、その参加者を強制退出させます。
その参加者が再び参加することを防止するために、ミーティングをロックすることもできるので、迷惑だと判断した場合は検討しましょう。
webexは多人数に適したツールだからこそ、ルールを守って使用しましょう
webexは有料プランの場合、1000人を超えるような大きな会議も実施することができます。
他のツールの場合は500人前後の会議が最大数となっているため、webexは多人数に適したツールだといえます。
また、多言語にも対応しているため、様々な国からの参加も可能です。
しかし、参加人数が多くなればなるほど、機器の不具合や環境トラブル、参加者の迷惑行為なども起こり得ます。
事前にルールを参加者に伝え、快適で滞りなくミーティングが進行できるよう注意しましょう。