在宅勤務やリモートワークの普及が加速する中で、web会議の導入や改善を進める企業は増加傾向にあります。
web会議ツールには無料で利用できるものもいくつかありますが、人気なのが「cisco webex」です。
そこで本記事ではwebexの概要や使い方、zoomとの違いについて解説します。
webexとは
webex(ウェベックス)は、アメリカ企業のcisco(シスコ)が提供しているweb会議用ツールで、世界中の企業で利用されています。
プランには無料と複数の有料プランがありますが、無料でも、
- 画面共有
- チャット
- リアクション
- 投票
- ホワイトボード
- 録画
- ブレイクアウトセッション
などの機能があります。
特にブレイクアウトセッションは他のweb会議用ツールでは有料版しかない場合がほとんどですが、webexでは録画機能と合わせ、無料で提供されています。
webexプランと機能比較
webexには無料プランと3つの有料プランがあります。
【スタータープラン】1,490円
【ビジネスプラン】2,980円
【エンタープライズ】要問合せ
※月額料金(主催者1人あたり)
となります。
また、無料プランと有料プランの機能の違いが以下になります。
主催者数
【無料プラン】1名
【スタータープラン】~50名
【ビジネスプラン】~100名
【エンタープライズ】カスタマイズ可能
ミーティング時間
【無料プラン】最大50分
【スタータープラン】24時間
【ビジネスプラン】24時間
【エンタープライズ】24時間
ミーティング参加人数
【無料プラン】~100名
【スタータープラン】~150名
【ビジネスプラン】~200名
【エンタープライズ】カスタマイズ可能
クラウド上で録画
【無料プラン】不可
【スタータープラン】可能(ストレージ5GB)
【ビジネスプラン】可能(ストレージ10GB)
【エンタープライズ】可能(ストレージ容量カスタマイズ可能)
代理主催者の追加
【無料プラン】不可
【スタータープラン】可能
【ビジネスプラン】可能
【エンタープライズ】可能
ファイル転送
【無料プラン】不可
【スタータープラン】可能
【ビジネスプラン】可能
【エンタープライズ】可能
カスタマーサポート
【無料プラン】オンラインサポートのみ
【スタータープラン】チャット、電話
【ビジネスプラン】チャット、電話
【エンタープライズ】チャット、電話、専属の担当者
引用:https://pricing.webex.com/jp/index.html
それぞれのプランによって、料金や機能が異なるため、自社の目的に合ったものを選びましょう。
webexのメリット
インターネット回線があれば世界中どこでも会議に参加できる
webexは、インターネット回線を通じてコミュニケーションを図ることができるweb会議用ツールなので、特別な回線がなくてもインターネット回線さえあれば、世界中どこからでも会議に参加することができます。
また、マルチデバイス対応なので、パソコンをはじめ、スマートフォン、タブレットなどすべてで使用することができます。
さらに、既存電話サービスと統合ができるため、既存のシステムを無駄にすることがなく導入が可能です。
安心の定額制プラン
webexは無料プランの他、3つの有料プランをそれぞれ定額で利用できるので、時間やコストを気にせず使用することが可能です。
利用頻度が多い企業の場合は、大変お得な料金体系となっています。
高画質で多機能でハイクオリティのweb会議を実現
webexの解像度は、High Quality(720p)Videoです。他の多くのweb会議ツールよりもハイクオリティの映像が提供されているため、画質はとても鮮明です。
また、webexは様々な機能を搭載していることも特徴です。Word、Excelなどのドキュメント参照、ファイル配信、録画機能、アプリケーション共有、VoIP機能など、web会議をスムーズに進行させるための機能が豊富に備わっています。
さらに、大人数が参加する会議のためにテレビ会議システムとの連携も用意されているので、自社の会議室ではテレビ会議システムを使い、外出先からはweb会議システムを利用することで、合同で会議を進めることができます。
webexのセットアップ方法
ここではパソコンで利用する場合のセットアップ方法を解説します。
webexのセットアップもzoomとそれほど変わりはありません。
①webexのwebサイトより、webexをダウンロードします。
②メールアドレスを入力するトップ画面が表示されます。
③入力したメールアドレスに6桁の確認コードが送られてくるので、そのコードを入力します。
④パスワードを入力します。
⑤webexで使用する名前を入力します。
これで設定は完了となるため、画面上の指示に従ってミーティングを開始、そして参加となります。
webexの使い方
在宅勤務の際に利用する
政府が推進する「働き方改革」の一環として在宅勤務を導入する企業は増えています。
在宅勤務において、よく課題に挙げられるのが意思疎通と勤怠管理ですが、webexを導入することで自宅とオフィスを常時接続することが可能となるため、2つの課題も解決できます。
従業員はパソコン、スマートフォン、タブレットがあればいつでもどこでもコミュニケーションを図ることができ、常時接続していれば勤怠管理にもなります。
顧客との商談の際に利用する
例えば出張先で顧客との商談をする機会の多い人にもwebexはおすすめです。
自社から遠く離れた地での商談の際に商品に関する質問が出た際、自分が答えられなくてもwebexがあれば社内の専門担当者が質問に答えることができます。
また、わざわざ出張しなくてもwebexを利用すればweb会議を通じて、商品の説明をしながら相手と話すことも可能になります。
海外にある支店とのコミュニケーションを活性化する
webexは、日本語や英語の他、中国語、フランス語、韓国語など全14か国語に対応しているので、現地雇用のスタッフが日本語を理解できなくても利用することができます。
webexを導入すれば海外とのメールや電話でのコミュニケーションや海外出張が必要なくなり、インターネット回線さえあれば世界中どこにいても画面を通じた対面でのコミュニケーションが可能になります。
webexとzoomの違い
セキュリティ
zoomは使いやすさを第一優先として設計されているため、在宅勤務やweb会議導入の増加に伴い、利用者も急激に増えました。
しかし、それによってセキュリティの脆弱性もクローズアップされてしまうようになりました。
例えばzoomではアカウントの乗っ取りや、スパム画像が投稿されてしまうなどの迷惑行為が増加傾向にあります。
一方、webexはビジネスユースを想定して作られており、
- データはすべてエンドツーエンドで暗号化
- ミーティングによってパスワードを変更できる
- 参加者のドメインやメールアドレスを指定できる
- シスコ社に独立したセキュリティ対策を行う組織がある
など、セキュリティ面では十分な配慮がなされています。
バーチャル背景の仕様
zoomでは各種デバイスでバーチャル背景の設定が可能ですが、webexはiPhoneとiPadのみバーチャル背景を利用することができます。
そのため、パソコンからwebexでweb会議に参加する場合は、バーチャル背景が設定できないため、事前に映り込む背景を確認しておく必要があります。
通信量・画質・音質
通信量
【zoom】◎※ビデオ通話の場合、通信量が少ない
【webex】◎※音声通話の場合、通信量が少ない
画質
【zoom】△※HDビデオは利用制限あり
【webex】◎※高画質モードあり
音質
【zoom】○※ノイズ除去あり
【webex】◎3パターンの音声設定あり
通信量についてはビデオ通話の場合、zoomの方が通信量が少なく、音声通話の場合はwebexの方が少ないという特徴があります。
また、高画質でweb会議を行いたい場合はwebexの方がおすすめといえます。
さらに音質は、音声設定の機能の多さで比較すればwebexの方が優っているといえます。
ビジネスシーンでの利用ならwebexの利用がおすすめです
zoomとwebexはどちらも人気のあるweb会議用ツールで、インターネット回線さえあれば、世界中どこからでもweb会議に参加することができます。
主な機能やセットアップ方法などには特に大きな違いはありませんが、zoomに比べ、webexはビジネスシーンでの利用を目的として作られているため、セキュリティ面ではzoomより安心して使うことができます。
また、ビデオ通話の際の通信量、画質や音質でもwebexの方が優れているため、特に大規模会議での使用の場合はwebexをおすすめします。