採用活動において、面接官や応募者がそれぞれ離れた場所から面接を行なう「リモート面接」が多くの企業で導入されています。
しかし、リモートで面接を行うと、不採用につながりやすいのではないかと不安視する人も多いようです。
そこで当記事では、面接をリモートで行うと本当に不利になるのかどうか解説します。
リモート面接とは
リモート面接とは、パソコンやスマートフォンなどを使用し、web会議システムを利用しながらインターネット回線経由で行う面接のことを指します。
そのため、インターネットに接続できる環境であれば、どこにいても面接を実施することができます。
リモート面接を行う企業は増えている
これまでは、面接といえば面接官と応募者が対面で行うのが一般的でしたが、リモート面接を導入し非対面で行う企業が増加傾向にあります。
なぜ、リモート面接を行う企業は増えているのでしょうか?その理由を解説します。
優秀な人材確保につながるから
従来の対面面接の場合、応募者が企業に訪問して行っていたため、応募者の居住エリアも限られていました。
しかし、リモート面接の場合、応募者が大都市近郊にいようと、地方都市や郊外にいようとどこからでも面接ができるため、居住エリアに限定はありません。
これまでは面接が不可能とされていたエリアの優秀な人材を確保できる可能性もあるため、企業は積極的にリモート面接を実施しているのです。
現場のコストを削減することができるから
リモート面接では会議室を確保する必要がなく、応募者に対する事務的な対応もなくなるので、企業側の負担を大幅に削減することができます。
また、応募者をはじめ、場合によっては面接官の移動もなくなるため、移動時間や移動コストを削減することができます。
面接の精度を上げることができるから
リモート面接は、web会議用ツールを利用して実施しますが、web会議用ツールではビデオ通話の他、チャット機能をはじめとした様々な機能があり、さらに日程調整ツールと連携すると企業側と応募者側のスケジュール調整も容易になるため、お互いのコミュニケーションもスムーズに行うことができます。
それにより、本面接前に簡単なヒアリングを行うこともできるので、ミスマッチを防ぐことも可能になります。
そして、面接を複数回に分けることで、より精度の高い応募者を選ぶことができます。
面接を仕組化することができるから
リモート面接の内容は、動画として記録に残すこともでき、採用担当者や面接官でデータ共有することも可能なので、社内ノウハウの構築につながります。
採用担当者や面接官によって、採用の判断基準が異なることもありますが、実際の動画データで比較検討できるため、判断基準が明確化でき面接自体の仕組化を実現することができます。
リモートは不利になる?
通常の面接と評価に差はない
通常面接とリモート面接の評価基準が異なり、どちらかを受けることで有利・不利になるといったことは基本的にはありません。
通常面接、リモート面接ともに、面接官が評価するポイントとしては以下のことが挙げられます。
第一印象・マナー
第一印象やマナーは、通常面接にしろリモート面接にしろ、最も評価されやすい重要なポイントになります。
第一印象こそが評価のほとんどを決定してしまうといっても過言ではないからです。
第一印象を決める要素は複数あり、例えば、
・声の大きさ
・服装や髪型などの身だしなみ
・入室時(リモート面接でも)のマナーや言葉づかい
などが挙げられます。
通常面接でもリモート面接でも、入室した際の一瞬の雰囲気やしぐさなどで印象のほとんどは決定してしまいます。
第一印象は短い面接時間の中では大きくひっくり返すことが難しいため、第一印象を良くするための工夫は忘れずに行うようにしましょう。
志望動機・意気込み
志望動機や将来のビジョン、入社後何を行いたいのかといったことを面接官は様々な質問からチェックしています。
仕事への意欲や意気込みが高いほど高評価につながり、やる気のなさや本気度が伝わらないと低評価につながってしまいます。
また、仕事への意欲が高かったとしても、それが志望企業だけに限ったことではないと判断されてしまうと、低評価となることもあります。
そのため、応募企業だからこそ志望した理由や、その企業でしかできないことを理由に志望動機と意気込みをアピールすることが重要になります。
自己PR
自己PRは、面接評価において非常に重要視されます。
自分の良さや魅力、特徴を伝えることが自己PRですが、自分の売込みだけに力を入れすぎてしまえばかえって低評価となってしまいます。
応募企業でどのように活躍でき、どんな利益に貢献できるかを、自分の経験や考えによってきちんと話せることが高評価となります。
企業の求める人物像に合っているか
応募者が自社にとって相性の良い人物かどうかも、面接では重要視されます。
お互いの相性が悪ければ仕事で活躍できる機会も少なくなり、成長することも困難になってしまいます。
これは企業と応募者にとって、お互いが不利益になることであるため、回避する必要があるのです。
リモート面接独自の気を付けるポイントがある
通常面接とリモート面接の評価自体に差はありませんが、リモート面接は通常面接と実施方法が異なるため、独自の注意点が存在します。
環境を整える
リモート面接の場合、カフェや公共の場所ではなく、自宅やレンタルスペース、個室型ワークスペースで行うことが望ましいです。
そして、安定したインターネット回線で接続することも重要です。
通信環境が不安定な場合、映像や音声が乱れたり、ひどいときには面接中に回線が遮断されてしまうといったことも起こり得るので、できるだけLANケーブルなど有線で接続するようにしましょう。
背景の映り込み
自宅でリモート面接を受ける場合は、白い壁か白いカーテンの前で行うことをおすすめします。
web会議用ツールには「バーチャル背景機能」が付いているものもありますが、画面上に違和感が出ることもあるため、基本的には使わないようにしましょう。
また、面接に不必要なものが映り込まないように注意することも大切です。
カメラの画角と明るさ
カメラは目線の高さに合わせるのが基本となります。
目線より高い場合、上目遣いに映ってしまい、目線より低いと上から目線もしくはうつむいたように映ってしまうため注意しましょう。
また、部屋が暗いと表情も暗くなってしまうので、照明をうまく使うことが重要です。
明るい自然光を部屋の中に入れても、それが逆光となれば表情が暗くなってしまうため、面接前に必ずカメラチェックを行うようにしましょう。
大きな声で話す
リモート面接では、通常面接に比べ面接官も応募者も声が聞き取りづらくなってしまいます。
話すときは、ゆっくり、ハキハキと普段より大きめに発声することがポイントになります。
また、面接官の声を聞き取りやすくし、自分の声を届けやすくするために、マイク付きイヤホンを使用することも有効手段となります。
面接官と目線を合わせる
リモート面接では、面接中に面接官と応募者の目線が合わないと感じる人も多くいます。
自分が話す場合は画面に映る面接官を見つめるのではなく、カメラを見て話し、面接官の話しを聞く場合は画面に映る面接官を見ながら話しを聞くと、目線が合うことになります。
遠方の場合はリモート面接を提案されることが多い
遠方から志望企業に応募する場合、移動時間や移動コストを考慮して、企業側からリモート面接を提案されることもあります。
通常面接だけの準備を行い、リモート面接は通信環境や通信機器など、まったく準備をしていなかったとなると大きな機会を損失してしまうことになるため、遠く離れた場所にある企業に応募する際は、どちらの面接でも行えるための準備をしておきましょう。
面接は準備によって合否が決まるといっても過言ではありません
面接の合否は事前準備によって合否が決まるといっても過言ではありません。
自己PRや志望動機など、面接で何をアピールするかしっかりと対策を立て、当日は声の大きさや表情、服装や髪型に気を配ることもとても重要です。
また、リモート面接を実施する企業も増えていることから、「通常面接しか準備していなかった」といったことがないよう、通信環境や通信機器などはあらかじめ整えておき、どちらの面接形式でも慌てず行えるようしっかり準備しておきましょう。