政府による「働き方改革」の推奨により、在宅でリモートワークを行なう人は増えています。自宅で快適に働ける人がいる一方で、ストレスを感じる人も多くいます。
そこで当記事では、在宅リモートワークで感じるストレスやその軽減方法について解説します。
リモートワークとは
リモートワークとは従業員が会社に出社するのではなく、会社から離れた場所で仕事を行なうことを指します。
つまり、「リモート(remote)」という言葉が「遠隔」を意味するように、遠隔で働くことをリモートワークと呼びます。
遠隔地で仕事を行なっていても、web会議やメール、チャットなど駆使することで、会社内にいるかのような仕事を行なうことが特徴です。
リモートワークのメリット
通勤時間が削減できる
リモートワークを行なうことによって、通勤にかかる時間や費用をカットすることができます。
会社によっては自宅から片道1時間以上かけて通勤する人もいますが、往復2時間以上が削減できることは大きなメリットといえます。
都心は特に満員電車で通勤が快適とはいえません。さらに交通災害・自然災害などによる遅延や同乗者とのトラブルなどが起こると精神的ストレスを受けてしまうため、業務以外の苦痛がなくなる点もメリットです。
モチベーションが向上する
リモートワークの場合、自分の好きな仕事環境を作り出すことができるため、快適に働くことができ、モチベーションも向上します。
自宅でのリモートワークの場合、例えば仕事の合間に少し時間をとって運動を行なう、読書の時間を作って自己啓発に励むことなども可能となります。
つまり、自分の思い通りの仕事場となるため、集中しやすい環境を生み出すことができます。
会社のコストが削減できる
社内で従業員が働く場合、デスクやイス、光熱費、通信費、交通費がかかります。しかし、リモートワークの場合は従業員が社外で業務を行なうため、コストが削減できます。
また、リモートワークはパソコンやスマホ、タブレットを利用しながら行なうため、余計なコピー出力といった印刷経費も削減できます。
リモートワークを行なう従業員数によっては、これまで使用していたスペースも削減することができるため、テナント費などコストを大幅にカットできた企業も存在します。
さらに、人材確保を新たに行なう際、採用費や人件費がかかります。しかし、これまでは育児や介護といった理由で退職を検討するしかなかった人がリモートワークとして働けるようになるため、退職者を抑えることもできます。
よって、新規採用を減らすことが可能となるため、従来に比べ人採用費や人件費を抑えることができます。
人材確保ができる
リモートワークは育児や介護、パートナーの転勤などによって、通勤困難になってしまっていた人の雇用を継続しやすくしてくれます。企業にとっては優秀な人材を損失せず、雇用し続けられるといったことがメリットになります。
また、従業員にとっては例えば転勤が県外、国外になったとしても業務に励むことが可能になります。
リモートワークは働く場所を選ばないため、例えば地方の会社であったとしても都内の優秀な人材を確保することもできるため人材不足の解消にもつながります。
離職率が低下する
育児や介護によって、退職せざるを得なかった人でもリモートワークによって継続的に働けるため、退職が不必要になります。
また、企業にとっては離職率が抑えられるため、クリーンなイメージを醸成することができます。一方、従業員にとってはワークライフバランスが実現できるため、従業員満足度もアップします。
リモートワークのデメリット
自己管理が大変
リモートワークによって、会社通勤より生産性向上が期待できる反面、従業員個々の取り組みによってはかえって生産性が下がってしまうこともあります。そのため、業務が停滞することなくスムーズに進行できるような環境をリモートワーク者自らが整える必要があります。
勤怠管理が難しい
会社への通勤であれば勤怠管理システムやタイムカードなどで実際の労働時間は把握できますが、リモートワークの場合はそれが難しくなります。
始業時や終了時に会社へメール送信する、タイムレコーダーを設置するといった工夫も必要になります。
また、多くの従業員が集まる会社では業務の過程においても評価できましたが、リモートワークの場合、過程が把握しづらくなってしまうため、評価が成果物になってしまいます。
そのため、評価体制を見直す必要もでてきます。
コミュニケーション不足となる
会社に居れば従業員同士で仕事上のわからないことを話したり、時に雑談などもできますが、リモートワークではコミュニケーションの機会が非常に少なくなってしまいます。
そのため、例えばweb会議などを利用しながら定期的に会話を行なったり、社内チャットツールなどを有効的に使うような工夫が必要になります。
リモートワーク者からはコミュニケーション不足による寂しさからストレスを感じる人も大勢いるようですが、会話の機会を意図的に設けるなど、社内ルールも必要になります。
在宅リモートワークで感じるストレスとは
引きこもり生活で疲弊する
リモートワークは引きこもり生活となってしまうため、孤独感から疲弊してしまうこともあります。
特に一人暮らしの人の場合、誰とも顔を合わさず会話もしないことから、疲れ切ってしまうケースが多くあります。
仕事とプライベートのメリハリがなくなる
仕事とプライベートのオンオフがうまくできず、ストレスの原因になる場合があります。例えば仕事中に家族が声をかけてくる、休憩時間に仕事の電話がかかってくるなどが挙げられます。
また仕事でもプライベートでも使用する電話やパソコン、インターネット通信費を自己負担している場合は金銭的にもストレスを感じてしまいます。
家事育児との両立が難しい
リモートワークを自宅で行なう際、家に小さな子供がいると仕事中でも育児が必要になります。仕事の電話中に子供が泣いてしまうといったことも起きてしまいます。
また、家事も行なう必要があるため、仕事との両立が難しくストレスを感じることもあります。
在宅リモートワークのストレス軽減方法
適度に休憩する
在宅リモートワークの場合、家事や育児等がなければ集中して業務を行なうことができます。会社に居る場合は隣の席にいる人と会話を楽しむ時間などがあるため、適度に休憩していることにもなります。
しかし、リモートワークの場合は根を詰めすぎることもあり、それがストレスの原因にもつながります。
リモートワーク中は仕事の要所で区切りをつけて休憩するようにしましょう。
残業をしない
リモートワークは仕事に集中しやすいため、人によっては1時間の業務効率が会社にいるよりも上がります。そのため、同じ労働時間でも密度が濃くなることもあるため、長時間労働では自分にストレスを与えてしまいます。
自分で決めた就業時間内に効率よく仕事を進め、残業をしないようにしましょう。
生活リズムを保つ
リモートワークではこれまでの通勤時間がなくなり、業務進行は自己管理となるため、生活リズムが崩れてしまうこともあります。そして眠りが浅くなるなど睡眠にまで影響を及ぼしてしまうこともあります。
リモートワーク中であったとしても規則正しい食事や睡眠を心がけ、生活のリズムを保つようにしましょう。
在宅リモートワークには魅力的なメリットもたくさんありますが、一方でストレスを感じる人も少なくはありません。
「コミュニケーション不足から孤独を感じてしまう」「仕事とプライベートの区別がつけづらいなど、ストレスを感じる原因は様々です。
リモートワークのどのようなところにストレスを感じるかをよく考え、ため込まずに対処できる工夫が必要になります。
在宅でもイスに長時間腰かけていては運動不足になってしまい、それもストレスの原因になります。
立ちながら、あるいは少し歩きながら電話するといったことだけでも気分転換になります。ぜひリモートワークでストレスをためないよう工夫しましょう。