面接というと堅苦しいイメージを持っている人もいるかもしれませんが、中には雑談を混ぜて行うケースもあります。
この記事では、雑談形式の面接の効果や導入するメリット・デメリットなどについて解説します。
また、導入時の注意点や具体的な雑談の例なども取り上げているため、企業の採用担当者はぜひ参考にしてください。
面接における雑談の効果
採用面接において面接官が雑談をすることで得られる効果はさまざまです。
雑談は応募者の本音を引き出し、緊張をほぐすためにも重要なものであるため、具体的な効果を押さえておきましょう。
なごやかな雰囲気になる
面接というと、堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、雑談を行うことで堅苦しさや緊張感をほぐし、なごやかな雰囲気を作ることができます。
よりフランクな雰囲気の中で会話ができるため、応募者の素に近い状態を知ることができるかもしれません。
緊張している状態や堅苦しさから繕っている状態だと応募の社の良さをなかなか把握できないでしょう。
応募者の本音を引き出せる
雰囲気がなごやかになることで、応募者も自分の本音を言いやすくなります。
面接を受ける場合、事前に想定される質問を考え、それに応じた回答を用意し、話し方や表情まで細かく練習している人が多くいます。
準備してきた回答は作り込まれているため、企業からすると優秀な人材のように思えますが、本来の姿とはかけ離れている可能性はゼロではありません。
一方で、雑談面接であれば、その場で回答を考えなければならないため、準備されていないリアルな回答をすることとなります。
自然な会話や表情を引き出せる
雑談形式による面接は、応募者もリラックスしやすいため、自然な会話や表情を引き出すことができます。
「志望動機を教えてください」や「なぜ当社なんですか?」などかしこまった形で質問されると応募者は緊張してしまい、本来は高いスキルを持っているにもかかわらず表情が固くなり、緊張からうまく言葉が出てこなくなるかもしれません。このような状況は応募者にとっても、企業側にとっても望ましいものではないはずです。
面接は応募者を緊張させるためのものではないため、雑談によって自然な姿を引き出すことには大きな意味があるといえます。
雑談形式による面接のメリット・デメリット
雑談形式を行うことで企業が得られるメリットはさまざまです。
一方で、デメリットも少なからず存在します。雑談を面接に導入するかどうか検討中の企業の採用担当者はぜひ参考にしてください。
メリット
企業が雑談形式の面接を行うメリットは、応募者の素の姿がわかりやすい点にあります。
雑談となると、事前に考えてきた回答をすることはできず、臨機応変に対応しなければなりません。
採用担当者はそこから応募者の考えや興味・関心、本音、話し方などがわかり、その人材が自社に適しているかどうか判断することができます。
デメリット
デメリットとしては、雑談形式の目的や意図が明確でないと面接がうまくいかなくなる恐れがある点が挙げられます。
雑談=簡単と考える人もいるかもしれませんが、企業側はなぜ雑談を行うのかその目的や意図を明確にしておく必要があります。
例えば、採用担当者は雑談時にどのようなポイントをチェックするのか、雑談から応募者の何を知りたいのかなどを共有しておくことは非常に重要です。
評価の軸が共有されていないと、評価にばらつきが生じ欲しい人材を逃してしまう可能性も高まります。
雑談面接を行う場合、準備もしっかりと行わなければならないということは肝に命じておきましょう。
面接で雑談をするタイミング
面接で雑談を行うタイミングは、自己紹介を終えた後、面接の最中、面接の最後の3つに分けることができます。
どのタイミングで雑談を行うかは企業によって異なります。ここではそれぞれのタイミングについて解説します。
自己紹介を終えたタイミング
面接では最初に自己紹介を行うケースが一般的ですが、その自己紹介を終えた直後から雑談で面接を行うことがあります。
この場合、雑談から面接が始まるため、最後までほぼ雑談形式で進むでしょう。
応募者は、いきなりの雑談に驚くかもしれませんが、慣れてくればなごやかな雰囲気の中で面接を受けることができます。
面接最中
途中までは一般的な面接のやりとりが行われていたものの、面接の最中に雑談形式に切り替わることもあります。応募者は急に雑談形式が始まるため、臨機応変な対応が求められます。
面接が終わる直前
面接の終盤までは通常の面接が行われ、最後に雑談タイムが設けられるケースもあります。
最後に雑談を持ってくることで応募者が「これで最後かな」と考え、リラックスしてもらえるかもしれません。そうなるとより本音を引き出せる可能性が高くなるでしょう。
面接で雑談をする際の注意点
雑談を活用した面接は、なごやかな雰囲気を作り、応募者にリラックスしてもらいやすいため、本音を引き出せたり、普段のコミュニケーションの様子を把握できたりとメリットは少なくありません。
しかし、雑談形式はただのおしゃべりに終始してしまう恐れがあります。
また、面接官の主観によって話が進み、評価にばらつきが生じる可能性もあるでしょう。そのため、雑談を行うに当たっては、雑談を行う際のルールを作ることが大切です。
繰り返しの説明となりますが、なぜ雑談を行うのか、雑談から応募者の何を知りたいのか、雑談を評価する際のポイントや軸はなんなのかといったことを事前に整理したうえで面接官となる社員に共有しておきましょう。
ポイントが明確になれば面接の精度向上にもつながり、より優れた人材、自社に適した人材の採用がしやすくなるでしょう。
雑談の例
面接中に行う雑談の内容はさまざまです。ここでは具体的にどのような雑談を行うのか、具体的な例を解説します。
学校の様子について
新卒採用面接の場合「学校どう?楽しい?」「部活の調子はどう?」など、学校の様子について触れることがあります。1日の多くの時間を過ごす学校に関する話題であるため、応募者も話をしやすいでしょう。
また、例えばこの質問にネガティブな回答をする人がいれば、「この人は入社後も会社に対してネガティブな印象を持つのかな?」と考えることができるかもしれません。
他の企業の選考について
「他の企業の選考はどこまで進んでるの?」といった形で、雑談の中で選考状況を確認することもあります。
他社の選考状況から、応募者の興味を持っている仕事の傾向や自社への志望度などを確認することができるでしょう。
応募者からすれば答えにくい質問ですが、雑談形式でフランクな雰囲気があれば多少は答えやすいといえます。
休日について
「休みの日って何するの?」など、休日の過ごし方を聞くこともあります。休日は、完全にプライベートの時間ですが、どのように過ごすかによってその人の興味や関心、人との付き合い方などがわかります。
例えば「いつも寝ています」という回答に対して、ダラダラした人である、人付き合いが苦手な人であるといった評価をすることができるでしょう。
雑談形式の面接は意図を持って
雑談形式の面接は、リラックスした雰囲気を作り出し、応募者の本音を引き出せるという特徴がありますが、雑談の目的や評価の軸がないとただのおしゃべりになってしまいます。
雑談から応募者の様子を理解するためには、雑談を行う目的や意図を明確にすることが大切です。
また、どういった内容の雑談をするのかなども、ある程度考えておくと面接でもスムーズでしょう。