働き手の減少、働き方改革が進んでいる今、企業に大切なのは「業務改善・効率化」です。しかし、「何から取り組めばいいか分からない」「効果を実感できない」と悩んでいる人も多いでしょう。
本記事では業務改善の進め方や、業務改善・効率化のポイントを解説。正しいステップで確実に効果が出る施策を行いましょう!
業務効率化とは
「業務効率化」とは、現在の業務から課題や問題を見つけ出し、スムーズに仕事ができるように対策を行うこと。業務効率化は次の3つを省いたり、減らしたりするための施策を実施します。
- ムリ:社員の負担が大きくなっていないか
- ムダ:コストの使い方や人材の配置は適切か
- ムラ:生産性が悪い業務や人材はいないか
業務効率化は従来から企業の生産性をアップするための課題でした。しかし、2019年頃から流行した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、テレワークが一気に普及したことから、より業務効率化が重要視されるようになっています。
業務効率化するメリットは3つある
業務効率化を行うメリットは、大きく分けて次の3つです。
- ムダなコストや社員の負担を減らせる
- 浮いたリソースを有効活用できる
- 会社の生産性がアップする
業務フローのムダを省けば残業時間が減るため、人件費を削減できるでしょう。社員の労働負担を減らせるのも業務効率化の大きなメリットです。
また、業務効率化によって社員の負担が減れば、浮いた分のリソースを新規プロジェクトや事業拡大に活用することも可能。結果的に業務改善・効率化は、会社の生産性アップにつながるでしょう。
「業務効率化」と「生産性向上」は何が違う?
「業務効率化」と「生産性向上」は無関係ではありません。業務効率化が実現すれば、結果的に生産性が向上するからです。
2つの違いは下記を参考にしてみてください。
- 業務効率化:業務フローのムリ、ムダ、ムラを省いてリソースを生む
- 生産性向上:少ないリソースで大きな成果をあげる
つまり、業務効率化は生産性を向上させるための手段の一つと言えるでしょう。
業務効率化の進め方5ステップ
業務効率化はいきなり施策を行っても、効果が得られるとは限りません。手順を踏んで業務効率化を行い、確実に効果を出していきましょう。
1.現状を把握する
業務効率化を目指すには、まず自社や部署の現状を正しく把握する必要があります。ただ単に業務フローを短縮したり、人材を減らしたりしても、現状がしっかり把握できていないと、業務改善・効率化の実現は難しいでしょう。
現状把握の段階で大切なのは、業務フローや人員数の確認はもちろん、現場の意見を聞くことです。社員にアンケートやヒアリングを実施し、正確に現状を把握するように心がけてみてください。
2.課題の把握・分析
調査した現状や現場の声をもとに、課題点を洗い出しましょう。しかし、見つかった課題を一度に解決するのは難しいため、優先順位を決める必要があります。
なかでも次の業務を優先して効率化すると、効果を実感しやすいでしょう。
- マニュアル化しやすい業務
- 自社の基盤となる業務
また外注を検討することも、業務改善・効率化に役立ちます。コストはかかりますが、費用対効果が高いと判断できる場合、外注化も視野に入れてみてください。
3.方法の検討と実施
効率化する業務が決まったら、ムリ、ムダ、ムラを排除するための施策を検討しましょう。実施する際は次の項目を決めてから行うと、次のステップである効果検証をスムーズに行えます。
- スケジュール:どのくらいの期間実施するのか
- 範囲:どの部署で、どのくらいの規模で行うのか
- 予算:外注やツールなどを検討する場合の予算決定
4.効果検証
施策を実施したら効果を検証します。たとえば業務フローの工程を省く施策を行ったとすれば、以前と比べて「社員の負担が減ったか」「生産性がアップしているか」などを検証する必要があるでしょう。
数値で比較できる項目が多いと、比較がしやすくなります。
5.改善策の検討
効果検証の結果、効果が出ている場合は施策を続けて行くのも一つの方法でしょう。反対に問題や課題がある場合は、改善策を検討する必要があります。
ステップ1に戻って、新たな手法で業務改善・効率化を目指していきましょう。
業務効率化の手法とは?3つのアイデア
「何から始めればいいのか分からない」という人は、業務効率化の代表的なアイデアを実践してみましょう。まずはスモールステップで構わないので、実際に業務効率化の手法を試してみてください。
業務を自動化する
社員が行っていた業務を自動化することで、新たなリソースが生まれます。経理や事務などバックオフィスと呼ばれる仕事は、自動化を検討しやすいでしょう。
たとえばエクセルの表に数値を入力する作業を自動化すれば、業務効率がアップするだけでなく、手入力で起こりやすいミスも防止できます。マニュアル化できる仕事を自動化すれば、業務効率が大幅に改善されるでしょう。
業務を分業化またはまとめる
業務フローに課題が見つかった場合、業務の分け方を変えると業務が効率化するでしょう。担当者の負担が大きい場合、業務のくくりを変更してみてください。
反対に分業化していたことによってムダが増えている場合、業務やチームを一つにまとめると業務効率がアップする可能性があります。
業務効率化ツールを導入する
スケジュール管理や日程調整をスムーズに行うと、ムダが減らせるので、業務改善・効率化が目指せるでしょう。自分のスケジュールやタスクが明確になっていると、パズルのように予定を組み立てることができます。
TimeRexは累計利用者数1200万人以上を誇る調整支援ツール「調整さん」が提供する、日程調整を自動化するツール。商談やWeb会議の日程調整を自動化できるほか、カレンダーと連携して予定を自動登録できます。
毎日の業務を効率化したいと考えているなら、ぜひ無料で導入してみてください。
業務効率化を目指す!押さえておくべきポイント3つ
確実に業務効率をアップさせるためにも、施策を行うときは次の3つのポイントを押さえておきましょう。「まったく成果が出なかった」とならないよう、気をつけてみてください。
効率化を目的にしない
業務効率化は現状の課題を解決するために行う方法であって、決して目的ではありません。業務効率化の遂行が目的になると、社員の気持ちや業務量に目が行かず、新たな「ムリ」を生む可能性があります。
また、本来の目的は社員にもあらかじめ共有しておくのがおすすめ。社員が一丸となって目標を目指すことで、チームワークやモチベーションの向上も期待できます。
社内の体制を整えて適切なフォローを行う
業務効率化の手法は必ずしも正解とは限らないため、常にチェックと適切なフォローを行う必要があります。たとえば業務効率化の施策によって社員の残業時間が減っても、一人あたりの業務負担が増えれば、「効率化できている」とは言えないでしょう。
業務効率化を行う際は社内の体制が崩れないよう、一定期間ごとにチェックを行ってみてください。また、社員にヒアリングを行って意見を募ると、改善点が見えてくるでしょう。
繰り返しPDCAを回すことが大事
業務効率化の手法は、一度導入すれば終わりではありません。継続的な業務効率化を目指すなら、「PDCAサイクル」を回していきましょう。
PDCAサイクルのステップは次を参考にしてみてください。
- Plan:業務効率化の施策を検討する
- Do:施策を実行する
- Check:実行した施策の評価・分析を行う
- Action:改善策を実行する
常にPDCAサイクルを回し続ければ、業務効率化できている状態をキープすることができます。
業務効率化を目指すなら気をつけたい注意点
業務効率化は無理のないプランを立てる必要があります。施策を実施する前に、次の項目に当てはまっていないか、最終チェックを行ってみてください。
業務効率化を急ぎすぎない
業務効率化を急ぎすぎると、商品やサービスの品質が低下してしまう可能性があります。「ムリ、ムダ、ムラ」だけでなく、必要な工程を省いていないか、結果だけにフォーカスしていないか、きちんと見直してから業務効率化を実施しましょう。
手間やコストが増えていないかチェックする
業務フローを変更したり、業務の分け方を変えたりすることで、かえって手間やコストが増えるケースもあります。業務変更に慣れるまでには一定の期間がかかるのが当たり前ですが、新たなムリやムダが生まれている場合、施策の変更が必要と言えるでしょう。
複数の施策を一気に進めない
複数の施策を一気に進めると、「どの施策が効果的だったのか」「効果が出たのか」という検証が難しくなります。また業務を一気に変えることは、社員に大きな負担を与えてしまうでしょう。
業務効率化は優先順位をつけて、順番に行うのがおすすめです。
業務改善・効率化は継続していく必要がある!
業務改善・効率化の施策は一度行って終わりではありません。実施と検証を重ねて、常に業務効率化できている状態を目指しましょう。
業務効率化は業務フローから「ムリ、ムダ、ムラ」を取り除くほか、マニュアル化できる業務を外注化したりツールを導入したりするのも一つの方法です。自社の生産性アップを目指して、最適な施策を行っていきましょう。