採用活動に取り組む全ての企業が「優秀な人材を確保したい」と考えています。
しかし、満足のいく採用結果を得られている企業はそう多くありません。
本記事では採用活動を成功させたいと強く考えている採用官に受けて、採用を決める際に必要なポイントなどをご紹介します。
何に取り組み、何を意識すればよいのか?少しでも優秀な人材を確保するためにできることを今から始めてみましょう。
面接官が採用をする際に大事にすべきこと
「人を雇うこと」は大きなコストを生むため、採用を決める面接官には大きなプレッシャーがかかります。
採用活動を失敗させないためには、面接時にポイントを意識するだけでなく、しっかりとした事前準備が大切です。
下記の点がその事前準備です。
- 優秀な人材像を整理する
- 評価項目を事前に決める
それぞれ詳しく解説していきます。
優秀な人材像を整理する
組織として「こんな人材が欲しい」と漠然と考えることはあっても、それを明文化していないケースが多々あります。
採用活動を行うのは組織にとって優秀な人材を確保し、会社としての理想に近づくためです。
そこで「人材ポートフォリオ」を作成してみましょう。
会社の現実と理想を照らし合わせ、どういった人材を確保すればそのギャップを埋めることができるのかを考えながら、組織にとって優秀な人材像を整理するのです。
世間一般に言われる優秀な人材が自社の理想とは限りません。
人事部門だけでなく、組織全体の意見を取り入れながら自社にとって優秀な人材を整理しましょう。
評価項目を事前に決める
採用活動に失敗する企業にありがちなのが、面接官の勘によって採用を決めることが多く、結果として自社に適さない人材を採ってしまうパターンです。
これを避けるために評価項目を事前に決めておきましょう。
評価項目は事前に作成した人材ポートフォリオにしたがって、採用したい人材ごとに決めるのがセオリーです。
その他にベースになる評価項目も用意しましょう。
例)基本の評価項目+求める人材ごとの評価項目
面接官の勘をできる限り排除することで採用する人材の偏りをなくし、バランスの取れた組織を作り上げることができます。
面接時に採用を決める4つのポイント
続いて面接時に採用を決めるポイントをご紹介します。
面接を通して、下記4つのポイントのいずれかに当てはまるようであれば、入社後に活躍する人材である可能性が高いです。
- 入社後のキャリアプランを持っている
- 面接官のことを考えた受け答えができる
- 論理的な説明・表現が得意である
- 未経験だがポテンシャルが高い
それぞれ詳しく解説します。
入社後のキャリアプランを持っている
新卒採用の場合、入社後のキャリアプランを持っているケースは珍しいですが、中途採用では重視したいポイントです。
入社後のキャリアプランを具体的・現実的に持っている人材は、自分がどうやって会社に貢献できるかも理解しているため、会社に利益をもたらしてくれる人材だと考えられます。
「入社後は〇〇がしたい」と単純に考えたものではなく、短・中・長期と段階的なキャリアプランを持っている人材に注目しましょう。
面接官のことを考えた受け答えができる
営業など顧客と直接コミュニケーションを取る人材に限らず、全ての人材に必要な能力は「相手のことを考えた行動が取れる」ことです。
これを面接時に見極めるには、面接官のことを考えた受け答えができているかをチェックしましょう。
次のような受け答えをしている場合、能力が伴っていない可能性があります。
- 面接官の質問にかぶせて回答してくる
- 質問内容とは違った回答が返ってくる
- 決まりきった変としか返ってこない
- 目線を合わせて話すことができない
逆に、面接官のことを考え相手の立場になった受け答えができる人材はビジネスマンとしての基礎能力をしっかりと備えていると言えます。
論理的な説明・表現が得意である
論理的思考が得意な人は、面接時の会話にもそれが現れます。
質問に対する返答が理路整然としていて、内容を簡潔に伝えられる人材は高く評価できます。
そうした人材は物事を冷静に分析し、解決策を導き出すことに長けているため会社が抱えている課題を解決するヒントを与えてくれるかもしれません。
ただし、論理的に説明・表現できることと相手の立場に立って考えることはまた別の話です。
「論理的に説明・表現できる=優秀な人材」ではないので、他のポイントと合わせて採用可否を判断しましょう。
未経験だがポテンシャルが高い
採用活動では業務未経験者が飛び込んでくることもあります。
その際には門前払いにするのではなく、人材のポテンシャルを見極めましょう。
未経験でも成長意欲・吸収意欲が高ければ短期間で即戦力になる可能性が高く、なおかつ自社理念が浸透しやすいというメリットがあります。
中途採用では基本的に経験や能力を評価しますが、採用活動を通じて何を達成したいのかによっては未経験でも採用するのがプラスに働くことがあります。
面接時に採用者の入社意欲を高めるためには?
最後にご紹介するのは、採用者の入社意欲(モチベーション)を高める方法です。
採用者の入社意欲を高めることで自社への興味・関心も高め、仕事に対して高いモチベーションを維持したまま迎えることができます。
そのためには下記2つのポイントを実施しましょう。
- 採用者ごとにアピールポイントを変える
- 採用者に何を期待しているのかを伝える
それぞれ詳しく解説していきます。
採用者ごとにアピールポイントを変える
人材によって「会社の何に魅力を感じるか?」が違います。
したがって、全ての人材に画一的なアピールを行っても入社意欲を高めることはできません。
まずは面接を通じて、会話の中から採用者が何に魅力を感じているのかを見極めましょう。
人材が魅力に感じるポイントを大きく分けると、次のようになります。
- 仕事内容に魅力を感じるタイプ
- 会社の将来性に魅力を感じるタイプ
- 会社の待遇面に魅力を感じるタイプ
- 働き方の多様性に魅力を感じるタイプ
各タイプに応じてアピールポイントを変えることで、入社意欲を高めるための「動機付け」が行えます。
採用者に何を期待しているのかを伝える
会社として採用者に何を期待しているのか、ハッキリと伝えることも大切です。
入社後に自然な流れとして仕事をこなしたもらうのではなく、なぜこの採用活動を行なっているのか?どういった人材を求めているのか?入社後にはどうやって活躍して欲しいのか?
こうした採用活動の背景や採用者への期待をしっかりと伝えることで、自分が求められているものを知り、入社意欲を高めることにつながります。
採用活動の始め方
採用活動は人事戦略の1つであり、効率良く優秀な人材を確保できるかどうかで費用対効果が変わります。
人件費率(売上高に占める人件費の割合)が50%に到達する企業もあるほど、人材とはコストのかかるものです。
だからこそ事前準備を怠らず、採用時のポイントをしっかりと押さえ、入社意欲の動機付けまで行なって採用活動の価値を最大限高めたいものですね。
まずは組織にとっての優秀な人材像と、面接時の評価項目を整理するところから始めましょう。
「採用活動に自信がない」という場合は、人事戦略コンサルタントなども検討しながら組織が求める人材を確保できるよう、新しい取り組みを始めてみてください。