政府が推し進める「働き方改革」の一環で、リモートワークを導入する企業は増加傾向にあります。
リモートワークを行う人の中には週のうち数日をオフィスに通勤する人もいますが、すべて在宅というフルリモートワークの人もいます。
そこで当記事ではフルリモートワークのメリット、デメリット、注意点などを解説します。
リモートワークのメリットとは?
時間や場所に縛られず働ける
オフィスに通勤する場合は、毎日決まった時間に出社しなければならないため、人によっては自宅との往復で多くの時間が割かれてしまうことがあります。
また、近年ではフリーアドレス制を導入する企業も増えていますが、自席が決まっている企業の方が圧倒的に多いため、働く場所も限られています。
一方、リモートワークは自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで働けるため、時間や場所に縛られずに働けることがメリットといえます。
通勤しなくて良い
リモートワークは通勤しなくても良いため、これまで移動時間にかかっていた時間を他の作業時間などに充てられます。そのため、業務の効率化が向上します。
また、リモートワークを導入する企業側も、従業員への交通費の支給を削減することができるため、メリットといえます。
ワークライフバランスの向上
リモートワークを行うことにより、子育てや介護をする人の働き方の選択肢が増えることはメリットといえます。
リモートワークでは、例えば保育園に預けている子どものお迎えがしやすくなることや、家族を介護しながらでも仕事ができるようになります。
また、リモートワークで通勤時間を削減できたことで、睡眠時間を確保できることも健康面で大きなメリットといえます。
通勤でおろそかになっていた家族との時間や自身の健康など、生活を重視するようになったこともリモートワークによるワークライフバランスへの影響なのです。
フルリモートのメリット
好きな場所で働ける
フルリモートワークの大きなメリットは、働く場所を選ばないことです。
出社が前提ではないため、好きな地域に移住して働くことも可能になります。
働く場所が自宅であったとしても、自分の好きなデスク環境で仕事をすることができるので、例えば好きな音楽を流す、好みのインテリアにするなど自由に決めることができます。
通勤のストレスがない
オフィス出社で多くの人がストレスに感じるのが出勤時や帰宅時の満員電車です。
通勤だけでも体力や多くの時間を費やしてしまい、仕事を始める前から疲れてしまっている人もいるほどです。
しかし、フルリモートワークの場合は通勤ストレスがありません。そのため、通勤で費やしていた体力や時間を仕事やプライベートに充てることができます。
時間の融通が効く
フルリモートワークは決まった時間にオフィスにいる必要がないため、自分の都合にあった働き方が可能です。
例えば朝が得意という人は始業時間を早くしたり、夜の方が得意という人は始業時間を遅らせることもできます。
また、休憩も自分の裁量で自由に決定することができます。
フルリモートワークを導入している企業の多くは、成果主義でフレックスタイム制も導入しているところが多いためです。
そのため、時間の融通が効きやすいので、仕事中に子どもの迎えや散歩、介護など行うこともできます。
様々な人を雇用できる
フルリモートワークを導入すると、日本全国はもちろん、世界各国から人を募って雇うことができます。
例えば、東京にオフィスがある場合、出社するとなれば東京近郊の人しか募集できませんが、出社を必要としないフルリモートであれば住んでいる場所は関係なくなります。
インターネットの通信環境が整ってさえいれば、遠方に住んでいる人であってもいっしょに働くことができます。
固定費を削減できる
社員全員がフルリモートワークを行った場合、会社はオフィスを持つ必要がなくなります。
そのため、毎月支払っていた家賃や光熱費といった固定費を大幅に削減することができます。
また、社員に支払っていた交通費も不要になります。
フルリモートのデメリット
成果主義
フルリモートワークを導入している企業の多くは、成果主義を採用しています。
成果主義とは、時給や月給などの固定給ではなく、業務の成果に応じて給与や待遇が決まる形態のことを指します。
フルリモートワークの場合、勤怠管理や上司が部下の勤務態度を見ながら評価することが困難なため、従来企業のような勤務態度や過程では評価ができず、仕事の成果で評価せざるを得ません。
年功序列のように経験や在籍年数で評価される従来企業の評価制度とは異なり、個人の能力を正当に評価してくれるのが成果主義です。しかし、仕事の過程は評価に含まれないため、成果が出なければ給与に反映されなくなってしまいます。
取り組みや仕事の過程においての努力を評価されないことに不安や不満を感じる場合、フルリモートワークはデメリットであるといえます。
コミュニケーション不足に陥りやすい
オフィスにいれば、近くの席にいる者同士で話したり、仕事上わからないことがあればすぐに聞いて確認することもできます。
しかし、フルリモートワークの場合、気軽な会話はもちろん、昼食や仕事終わりに同僚と食事に行くといった機会も減るため、仕事上のストレスを共有することも難しくなってしまいます。
そして、ストレスを自分だけで抱え込んでしまい、孤独を感じやすくなってしまいます。
また、フルリモートワークの場合、コミュニケーションのほとんどはチャットとなるため、音声ではなく文章から相手の気持ちをくみ取らなければなりません。ニュアンスに誤解が生まれることもあるので注意が必要です。
精神的につらいと感じてしまうこともある
フルリモートワークで大きなストレスを抱え、孤独感が募ってしまうと、最悪の場合はうつ病を発症してしまうこともあります。
自宅にずっといたまま誰にも会わないで一日の大半を過ごすと、思考がネガティブなものになってしまうからです。
また、運動不足からうつ病を発症してしまうこともあるため、フルリモートワークの場合は適度な運動も必要になります。
フルリモートで働く際の注意点
自己管理に注意
フルリモートワークは通勤などのストレスが軽減され、生産性を高めるための働き方として期待されていますが、会社のような規則正しい生活ではなくなるため、自己管理には注意しなければなりません。
仕事に集中できる環境づくりや生活リズムを整えること、さらにタスク管理を徹底しながら適度な運動といったリフレッシュも重要になります。
メンバーとのコミュニケーションに気を配る
フルリモートワークはオフィス内とは異なり、コミュニケーション不足になりがちですが、仕事上わからないことがあると余計なストレスがたまることもあるため、電話やチャットをうまく活用して、不明点をすぐにクリアにするようにしましょう。
また、コミュニケーションする相手もフルリモートワークの場合は特に、相手の環境を配慮しながら、どのように伝えるとわかりやすくなるか、常に意識することが大切になります。
仕事とプライベートを切り分ける
フルリモートワークでは、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまうことがあります。
例えば、仕事前には服を着替えて髪型を整えるなど、仕事モードにスイッチする工夫を自分なりに行うことが大切です。
フルリモートワークはいかに快適に行うかがポイントになります
フルリモートワークはオフィスへ出社する必要がないため、通勤時間や費用が削減でき、他の作業に時間を充てることができるため、一日の業務効率がアップします。
また、自宅や自宅以外の好きな場所で仕事することができるため、都会から離れた田舎暮らしなど移住も可能になります。
一方、コミュニケーション不足からストレスを抱え、孤独感が募り、精神的な問題を抱えてしまう人も中にはいます。
生活リズムを整え、メンバー同士のコミュニケーションを密にし、自己管理に注意しながらいかに快適に毎日を過ごすかがフルリモートワークを成功させるポイントになります。