業務効率化とは業務におけるムリ・ムダ・ムラを排除し、業務プロセスを改善することです。
業務効率化により企業は、コスト削減や従業員のモチベーションアップなどさまざまなメリットを享受できます。
この記事では業務効率化の概要や求められている背景、業務効率化に活用できる便利なツールなどについて解説します。
業務効率化とは?
業務効率化とは、業務におけるさまざまな「ムリ」「ムダ」「ムラ」を取り除き、業務プロセスを改善することです。業務効率化を図ることで、企業の生産性を高めることができます。
業務におけるムリ・ムダ・ムラとはそれぞれ以下のようなものが該当します。
ムリ:業務の負荷が従業員の能力を上回っている
ムダ:業務の負荷が従業員の能力を下回っている
ムラ:ムリとムダが混在して時間によってそれぞれが表れる
ムリ・ムダ・ムラを把握し、改善していくことが業務効率化の目的です。
業務効率化が求められる背景
業務効率化が求められている背景には、少子高齢化による働き手不足があげられます。
企業の中には人手不足に悩んでいるケースもあり、人材募集を行っても応募自体が少ないこともあります。
このような状況になると、企業にとってはいかに少ない人数で業務をこなすかということがポイントとなり、業務効率化が必要です。
業務効率化のメリット・デメリット
業務効率化を目指す場合、メリットとデメリットの双方が存在することを理解しておかなければなりません。それぞれを理解することで、適切な対策を取ることができます。
メリット
業務効率化のメリットは、経費の削減や従業員のモチベーションアップなどがあげられます。
なぜそのようなメリットがあるのかチェックしてください。
コスト削減
業務効率化によってムリ・ムダ・ムダをなくすことができれば、従業員の作業時間が減るため、結果的に人件費を削減できます。
また、作業が減ることで作業に伴い発生していた光熱費などのコストも削減できます。
従業員のモチベーションアップ
業務効率化により業務負担が減ることで残業削減にもつながるため、従業員のモチベーションアップにつながります。
仕事だけでなくプライベートも充実させられれば、ワークライフバランスが実現し、結果的に会社に対する満足度も高まり、離職率低下の実現も可能です。
デメリット
業務効率化を図るためにITツールを導入する場合、導入コストがかかってしまいます。
この点は費用負担を減らしつつ業務効率化を図りたい企業にとっては大きなデメリットだといえます。
また、業務効率化に伴い、作業工程が変更となり、現場で混乱が生じる恐れがある点には注意してください。
現場への影響を最小限に抑えつつ業務効率化を図るためには、情報をしっかりと共有し、事前にどのような点が変更となるのかを周知徹底しておくことが大切です。
業務効率化の進め方
業務効率化を進めるための方法は多種多様です。
さまざまな方法で効率化を進められるため、自社にあった方法を選ぶことが大切です。
業務を洗い出す
自社でどのような業務を行っているのか洗い出しを行うことでムダが見えてきます。
例えば、なくてもいい作業をやっている、必要のない資料を作っているといったことがわかれば、それらをなくすことで工程が減るため、効率化を図ることができます。
優先順位を付ける
業務の洗い出しと合わせて、業務に優先順位をつけることも重要なポイントです。
優先順位の高い業務に人的リソースを割くことで、ムダな業務やあまり重要でない業務に人員を割くことがなくなります。
アウトソーシングする
全ての業務を自社で行うのではなく、アウトソーシングすることも業務効率化を図る上では重要です。
例えば、単純な業務はアウトソーシングしてリソースが浮いた分、注力したい業務に人員を充てるといったこともできます。
業務に優先順位をつけている場合、優先順位が低い業務をアウトソーシングできないか検討してみてください。
外注コストは発生しますが、作業量が減る分人件費などの削減が期待できるため、アウトソーシングする方がコストを抑えられる可能性があります。
自動化する
業務によっては、毎日行う必要があるものの単純な業務、人手ではなく機械やシステムに任せることのできる業務も存在するため、それらを自動化することができれば業務効率化につながります。
例えば、エクセルのマクロ機能を活用することで、それまで手間がかかっていた作業をすぐに終えられます。
業務マニュアルを作る
業務の進め方が曖昧であるために、業務を終えるまでに時間がかかっている場合、業務マニュアルの作成がおすすめです。
マニュアルがあることで、経験の浅い従業員でもミスをする可能性が低くなるほか、担当者が違っても一定以上のクオリティを維持しやすくなります。
マニュアルの作成は手間がかかりますが、一度作成すれば、その後の業務負担は大幅に軽減されます。
業務効率化ツールの種類
業務効率化を進めるにあたって、ツールの活用もおすすめです。
ツールと一言でいっても日程を調整するツールから名刺管理をするツール、コミュニケーションツールまでさまざまであるため、自社の業務に必要なツールを導入してください。
日程調整ツール
日程調整ツールは、その名の通り打ち合わせや面談の日程を調整することができるツールです。
特にフィールドセールスやインサイドセールス、人事の業務と日程調整は切り離すことができません。
日々膨大な数の日程調整を行う上で、事務作業の時間を削減し、営業活動や採用活動といった本質的な業務に時間を使うことができるようになります。
名刺管理ツール
名刺管理ツールは、名刺をデジタルデータとして管理するツールのことです。
これまで交換した名刺はファイルなどで保管し、コンタクトを取りたいときに連絡先を確認するという使い方が一般的でした。
しかし、デジタル化してデータベースに名刺の情報を保管することで検索がすぐにできるほか、スマートフォンからでも情報にアクセスできます。
顧客に対する営業活動を行う上では、商談につなげるためにも名刺交換は必要不可欠です。
一方で名刺を交換したものの活用しきれていないケースは少なくありません。
そのような時に簡単に利用できる名刺管理ツールがあれば営業活動にも大いに役立ちます。
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールとは、パソコンやスマートフォンを使ってリアルタイムでのコミュニケーションが取れるツールのことです。
主にテキストによるやりとりが行われますが、ツールによっては通話ができるものもあります。
従業員間でのコミュニケーションが十分に取れていないと、情報共有不足や勘違いなどが発生してしまいます。
チャットツールを利用することで、気軽にコミュニケーションが取れるため、コミュニケーション不足に陥る心配がありません。
また、メールのようにかしこまった文章を作成する必要もないため、スピーディーなやりとりが可能です。
チャットツールでも資料や動画の共有ができるほか、タスクを設定することもでき、業務効率化に大きく貢献してくれます。
RPA
RPAとは、主にデスクワーク作業を自動化してくれるソフトウェアのことです。
正しくは「Robotic Process Automation」といい、それぞれの単語の頭文字をとってRPAと呼ばれています。
RPAを導入することで、例えばエクセルデータを他のシステムに転記する、紙の資料を電子化するといった作業を自動化することが可能です。
このような作業は非常に単純なものですが、企業にとっては欠かせないものでもあります。
単純作業に人を割くことなく進めることができれば、業務効率は大きく向上すると考えられます。
業務効率化はムリ・ムダ・ムラの洗い出しから
業務効率化は簡単にできるものではないため、「何からすればいいかわからない」となる人もいるかもしれません。
そのようなときは、まず自社の業務のムリ・ムダ・ムラはなんなのか把握することから始めてください。
その上で、課題解決につながるツールを導入するなどして、少しずつ業務効率を高めていくことが大切です。