政府が推進する「働き方改革」の一環により、テレワークを導入する企業が年々増加しています。
そして、そのテレワークの浸透に伴い、駅などへの設置が増加しているのがテレワークボックスです。
そこで当記事ではテレワークボックスを使うメリットやデメリット、選ぶ際のポイントなどを解説します。
テレワークボックスとは
テレワークボックスとは、様々な用途で使用できる完全個室型作業スペースです。
Wi-Fiや電源が完備されているため、パソコンなどを使用した事務作業をはじめ、web会議、オンライン面接、勉強、動画配信や音声配信などに使用することができます。
東京都内をはじめ、全国の大都市圏で設置の展開がされていますが、今後拠点数が増加すると予測されています。
テレワークボックスを使うメリット
防音効果で近隣に迷惑をかけない
内部の音漏れがない防音設計となっているため、静かな時間を快適に過ごすことができます。
例えばカフェやコワーキングスペースでもテレワークは行なえますが、こちらの発話が周囲に漏れてしまうため、web会議やオンライン面接は不向きとされてきました。
しかし、テレワークボックスなら防音効果で内部の音が漏れることはないため、音声を発する業務や趣味、音読などの勉強に向いています。
周囲の音を遮断してくれる
テレワークボックスは周囲の音を遮断してくれるため、集中して業務や勉強に励むことができます。
在宅勤務のweb会議や自宅でのオンライン面接の際、注意していても家族の声や生活音、交通騒音や工事騒音が入ってしまうこともあります。
重要な会議や面接では、画面の向こう側にいる取引先や面接応募企業に迷惑をかけてしまう場合もありますが、外部からの音を遮断することは難しいとされてきました。
しかし、テレワークボックスは内部だけでなく、外部の音も遮断してくれるため、web会議やオンライン面接など、安心して行なうことができます。
省スペース
テレワークボックスは複数社で製造されていますが、幅と奥行きが約1.2m、高さが約2.5mなので、大型で奥行きが大きな自動販売機のようなスペースです。
そのため、省スペースで場所を取らないので、
- 駅の構内
- 空港のロビーやラウンジ
- オフィス内
- 喫茶店や飲食店
- デパートやショッピングセンター
- 銀行
- 図書館
- 美術館や博物館
- イベント会場
などへ設置することができます。
集中できる
カフェやファミレス、コワーキングスペースや駅の待合室などでもテレワークはできますが、外部からの雑音や騒音があり、他人が近くを何度も通ったり、目移りするものもたくさんあるため、集中力が落ちてしまう場合もあります。
しかし、テレワークボックスはデスク、照明、Wi-Fiなどがシンプルに用意されているだけであり、外部音も遮断されて静かな空間であるため、仕事や勉強、面接などに集中することができます。
簡単に組み立てられる
テレワークボックスの中には組み立て式タイプのものもあります。
説明書の順番に組み立てていけば、工具なしでも10分ほどで組み立てられるタイプのものもあるので、日曜大工などに慣れていない人でも簡単に組み立てることができます。
テレワークボックスのデメリット
10万円以上の高額になる場合がある
テレワークボックスは、製造メーカーによって価格も様々ですが、10万円以上の高額になる場合もあります。
例えば、自宅の一室に設置した場合、個人購入では負担も大きくなってしまいます。
また、オフィス内に設置するために会社で利用するにしても、複数個を設置したのではコストも増大してしまうため、高額なのがデメリットといえます。
スペースが必要
テレワークボックスは、駅の構内、空港のロビーやラウンジ、デパートやショッピングセンター、イベント会場など、広い場所でレンタルなどの用途で設置するにはそれほど場所を取らないため便利です。
しかし、自宅に設ける、オフィス内に設置するなど、それほど広くない空間の場合は場所を取ってしまい設置が大変です。
ある程度のスペースがある場所でないと利用できない点がデメリットといえます。
テレワークボックスを選ぶ際のポイント
費用対効果
テレワークボックスを使用することでどんなコストが削減でき、生産性を高めることができるか検討してから選ぶようにしましょう。
テレワークで削減できる費用には以下のものが挙げられます。
通勤費
在宅勤務の場合は通勤費を削減できます。定期券を利用している場合でも週1回からの在宅勤務で通勤費の削減が可能です。
オフィス賃料
在宅勤務により出社者が減少した場合やモバイルワークを導入してフリーアドレスを導入した場合にオフィス賃料が削減できます。
光熱費
オフィス賃料と同様に在宅勤務により出社者が減少した場合やモバイルワークを導入してフリーアドレスを導入した場合に光熱費が削減できます。
採用・教育費
育児・介護理由、パートナーの転勤・結婚など引っ越しによる退職は在宅勤務で防ぐことができます。
交通費・残業代
モバイルワークを導入し、訪問先から一度会社に立ち寄って帰宅するのではなく、直接帰宅するようにすると交通費や残業代が削減できます。
出張費
拠点間でweb会議を導入すると出張費を削減することができます。
一方、テレワークボックスを使用してテレワークを行う際に必要な費用は以下のものが挙げられます。
テレワークボックス
1個あたり、約10万円前後が相場になっていますが、高額なものは50万円前後するものもあります。
インターネット通信環境
自宅または外出先からインターネットに接続できるようにします。
テレワーク用のパソコン
テレワークにも対応できるパソコンで社外から会社のデータにアクセスできるようにします。
web会議ツール
在宅の人とオフィスの人、支社間でコミュニケーションできるようにします。web会議ツールは無料版もたくさんありますが、複数名が出席するweb会議の頻度が多い場合、有料版が必要となります。
グループウェア
情報を共有できるようにします。
ウェブ勤怠管理システム
web上の勤怠管理システムで離れた社員の勤怠を管理できます。
以上の削減できるコスト、新たに必要なコスト、期待できる生産量などを割り出しながら、テレワークボックスにはどの程度の予算が使えるかも十分考えてから選ぶとよいでしょう。
また、個人でテレワークボックスを購入する場合も、費用対効果を意識することが大切です。
デザインが部屋とマッチしているか
テレワークボックスには木目調、ホワイトの無地、黒を基調としたプレミアムウッド、ドア部分がガラスでできているもの、アルミ複合板等が使用されているものなどデザインは様々です。
あたたかな雰囲気の部屋にシャープで無機質なテレワークボックスが設置されたり、重厚な雰囲気のオフィスの一室にカジュアルなテレワークボックスを設置したのでは、全体がアンバランスになってしまいます。
デザインが部屋とマッチしているかどうか検討することも大切なポイントになります。
組み立てに労力が必要か確認する
テレワークボックスはほとんどのタイプが組み立て式ですが、大人一人で工具なしでもすぐに組み立てられるものもあれば、工具が必要で大人二人以上で30分程度かかるものもあります。
購入前に組み立てにはどのくらいの労力が必要か、よく確認しておきましょう。
テレワークでの仕事の効率をより高めてくれるのがテレワークボックスです
テレワークボックスは周りを気にせず仕事ができるためおすすめです。
外部の音を遮断し、内部の音漏れも防ぐことができるため、静かな空間で集中しながら仕事を行なえます。
また、外部には聞かれたくない電話やweb会議を行なうことができ、誰からも見られず資料作成やメールなどの業務を行なうことができます。
製造メーカーによって、価格やデザインは様々で、組み立て方法も多少異なります。
購入前はこれまでとどんなコストが削減できて、逆にどんなコストが発生するのか、そして、テレワークボックスを使用することでどのような生産性の向上が期待できるかを十分検討してみましょう。