企業の採用活動も年々オンライン化が進んでいます。
特に面接では、ズームをはじめとしたweb面接を導入する企業が増えており、転職希望者もズーム面接用の対策が求められています。
そこで当記事ではズーム面接の概要やメリット・デメリット、うまく行うコツや注意点などを解説します。
ズーム面接とは?
ズームとはズームビデオコミュニケーションズ社によって開発・リリースされているweb会議用のツールで、映像や音声を通じてやり取りができます。
日本ではこれまで遠隔地にある本拠地、支社との会議や離れた場所にある取引先との商談といった目的で使用されることが大半でした。
しかし、一対一の通話であれば時間無制限で無料でサービスを利用できることから、近年では企業と求職者の面接のシーンでも利用されているのです。
ズーム面接のメリット
費用や移動時間の負担がなくなる
ズーム面接は、面接を受ける企業に求職者が訪問する必要がないため、交通費や移動時間の負担がなくなるといったメリットが挙げられます。
また企業側も、会場確保などに関わる費用や準備のための時間を抑えることができます。
特に求職者は、移動時間がかからないため、効率よく時間を使えば一日で複数社の面接を受けることもできます。
また、地方から大都市圏への転居を伴う転職を希望している人でも、ズーム面接は様々な費用を大幅にカットしてくれます。
隙間時間や即日面接も実施可能
移動や準備のための時間が不要になることで、企業側も求職者側も隙間時間に面接できる点もメリットだといえます。
また、お互いの都合がつけば即日面接も可能になります。
従来型の対面式面接の場合、1日に実施できる面接は多くても3回程度でしたが、ズーム面接の場合、スケジュール調整も容易になるため、それ以上の面接を実施することもできます。
ズーム面接を録画すれば双方にとって学べる
ズームには、他のツールを使わなくてもズーム内で行われる面接やミーティングを録画できる機能が付いています。
録画データをうまく活用できれば、企業側は面接官の教育や育成ができ、選考に迷った際は見直すことで改めて評価することもできます。
一方、求職者側にもメリットがあります。
自分が話している時の表情やしぐさは、自分が想像している姿とは異なる場合もあります。
ズーム面接を録画することで面接中の自分を客観視することができるため、次の面接はもちろん、日常のコミュニケーションにおいても、気になる自分の表情やしぐさを改善することができます。
ズーム面接のデメリット
コミュニケーションが取りづらい
ズーム面接には、面接官と求職者のお互いの声が聞こえづらい、返事のタイミングが取りづらい、コミュニケーションがスムーズに行なえないといったデメリットがあります。
従来の対面式面接の場合であれば、話しているときに感じる相手の小さな相槌も、ズーム面接ではあまりよく感じることができないため、ぎこちない会話となってしまうこともあります。
また、慣れていない人は特に話す際にカメラではなく、画面に映る相手の目を見てしまいます。
当然、実際にはお互いの目線が合わずに会話をすることになるため、円滑なコミュニケーションが困難となってしまいます。
慎重になりすぎてしまう
ズーム面接では、コミュニケーションの取りづらさから相手に対して誤解を生じさせてしまい、マイナス印象を与えてしまう可能性もあります。
そのため、相手に誤解を生まないようにと慎重になりすぎてしまい、通常の会話に比べて、ますますテンポがおかしくなってしまうこともあります。
通信機器のトラブルが発生してしまうリスクもある
ズーム面接では、インターネットの通信状況が安定しないと画像が乱れたり、音声が入らなかったり、対話を遮断してしまう可能性があることもデメリットとして挙げられます。
近年ではズーム面接をはじめ、各種ツールを使用したオンライン面接も急増しているため、通信機器も安定度が増してはきましたが、まだまだ完全ではないため、トラブル発生リスクのあることはしっかり認識しておきましょう。
ズーム面接のやり方
面接場所を確保する
ズーム面接では面接を受ける場所が重要になります。
- インターネット通信環境が安定している場所
- 背景に余計なものが映り込まない場所
- 人やモノなどの雑音・騒音が入らない場所
を確保しましょう。
いずれの条件も満たす場所としておすすめなのが自宅ですが、自宅をズーム面接の場所として確保できない場合は、コワーキングスペース、レンタルオフィスや会議室、ホテルの一室などがおすすめです。
身だしなみを整える
ズーム面接では、基本的にはカメラ画面の範囲内のみしか映らないため、従来の対面式面接に比べると、身だしなみは最低限整っていればいいと考えてしまう人も少なくないようです。
しかし、ズーム面接でも身だしなみを整えることは重要です。
例えば器具の不具合などにより、席を外した際に全身が映ってしまうこともあるため、「下半身はカジュアル」ではなく、上下ともスーツ着用で面接にのぞむようにしましょう。
ズームにアクセスする
面接開始の5分〜10分前には、指定のURLをクリックまたはIDにアクセスしましょう。
面接官が不在の場合は「ホストがこのミーティング/ウェビナーを開始するまでお待ちください」と表示されるので、そのまま待機するか面接開始時間の数分前に再度アクセスするようにしましょう。
ズーム面接でうまく行うコツ
受け答えはいつもよりゆっくりハキハキする
ズーム面接では、インターネット通信環境によって面接官の声が聞こえにくく、自分の声も届きづらくなってしまうため、いつもよりも話のテンポやスピードをおさえ、ハキハキと話すようにしましょう。
また、画面を通じたコミュニケーションは声のメリハリやリアクションも伝わりにくくなってしまうため、身振り手振りや相槌も普段よりやや大きくすることがコツになります。
目線はカメラを向く
ズーム面接では画面上の面接官の目を見て話をしがちですが、カメラに目線を合わせた方が自然な印象となります。
また、パソコン内蔵のカメラを使用する場合は、カメラがディスプレイの上にあることが一般的であり、面接官にはうつ向き気味、あるいは上から目線のような感じに映ってしまいます。
これはズーム面接のデバイスをスマートフォンにした場合も同様のことが起こりがちです。
面接官に挨拶したり質問に答える際は、カメラの位置をしっかり意識しながら話すようにしましょう。
マイク付きイヤホンを使用しましょう
ズーム面接では、マイク機能付きイヤホンを使用することで雑音が入りにくくなり、面接官の声も聞こえやすくなります。
マイク付きイヤホンは有線のものと無線のものがありますが、無線は線が邪魔しないといったメリットはあるものの音飛びを起こしやすいため、接続が安定している有線のものがおすすめです。
ズーム面接の注意点
使用するデバイスの動作確認を事前に行う
ズーム面接を行なう前に各種デバイスやマイク付きイヤホンを用いて、ビデオ通話が問題なく行えるか事前にしっかり確認しておきましょう。
通信回線の速度と安定性を確認する
通信回線の速度が遅く不安定な状態では、ズーム面接中に接続が遮断され、画面がフリーズしやすくなってしまいます。
自宅の通信環境が不安定な場合は、ポケットWi-Fiをレンタルするなど、面接当日になって慌てることがないよう事前に確認しておきましょう。
また、ズーム自体の動作確認も行い、問題なく起動するかも試しておきましょう。
自分が使いやすいようにカスタマイズすることもおすすめのズーム
ズームを利用したweb面接は、もはや一般化されつつあります。
ズームはアカウントを作成しなくても利用できるため、とても便利なコミュニケーションツールといえます。
ズームに搭載された機能を十分に活用したい場合は、サインアップ後にアカウントを作成し、使いやすいようにカスタマイズすることもおすすめです。
ズーム面接では面接中のコツや注意点をきちんと把握し、事前に確認すべきことはしっかり行ってのぞむようにしましょう。